保険医の権利を守る(審査/指導)

オン資確認(マイナ保険証)や被保険者資格申立書と事実が相違した場合の対応について

  • 木曜日, 9月 11 2025 @ 04:13 pm JST

令和6年9月11日

福井県国民健康保険団体連合会 御中

社会保険診療報酬支払基金 御中

福井県保険医協会

会長 津田武嗣

副会長 吉田浩士

オン資確認(マイナ保険証)や被保険者資格申立書と事実が相違した場合の対応について

国民医療の向上と確保へのご尽力に敬意を表します。

さて、資格確認が不明瞭な場合のレセプト対応について、次の通知を確認しました。

・保発0710第1号令和5年7月10日「マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合の対応について」

・事務連絡令和5年7月19日「マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合における診療報酬等の請求の取扱いについて」

・事務連絡令和5年8月3日「保険者等を特定することができない診療報酬等の按分方法等について」

・事務連絡令和5年8月3日令和5年9月15日一部改正「マイナンバーカードによるオンライン資格確認を行うことができない場合における対応等に対する疑義解釈について」

概ね次のようにまとめました。

例1)保険者が一致・負担割合が不一致   → レセプト返戻なし・保険者が被保険者に対応

例2)保険者が異動(保険者が明白・登録済) → 審査支払時に異動先判明ならレセプト返戻なし

例3)保険者が不明            → レセプト返戻なし・保険者が按分支払

例4)保険者が相違(保険者が明白・登録済) → レセプト返戻(国保連請求の国保・後期高齢加入除く)

 私たちは、医療機関がレセプト返戻の対応を求められる事例は、例4)で示したケースしかないと解釈しています。

 そこで、次の質問にご回答ください。

問1)例4以外で医療機関に診療報酬がレセプト返戻の事例があるのか? □ある  □ない

   ある場合、いくつか事例を列挙してください

問2)マイナカードの不具合により3割負担等として対応した。虚偽のマイナカードであった場合や

保険が無資格なのに資格があると偽られた。例3)に相当するのか。□する  □しない

問3)例4において、例2のように事務手続きを完結できないのか?   □できる □できない

貴審査機関名              

※別紙で貴審査機関の見解を述べていただいても構いません。

今すぐ、不合理な減点や算定要件を是正してください

  • 水曜日, 9月 10 2025 @ 02:38 pm JST

令和7年9月10日

厚生労働大臣 福岡 資麿 様

福井県国民健康保険団体連合会 様

福井県後期高齢者医療広域連合 様

社会保険診療報酬支払基金(福井県) 様

福井県保険医協会

会長 津田 武嗣

今すぐ、不合理な減点や算定要件を是正してください

 貴職におかれましては、国民医療の確保のために尽力しておられることに敬意を表します。

 さて、医療現場から次のような報告がありました。

・[医療側]処方箋にてアジルサルタン錠●mgを処方した(一般名処方加算を算定)

・[薬局側]アジルサルタンOD錠●mgに調剤変更した(理由は不明)

・[審査側]一般名処方加算を減点した(アジルサルタンOD錠には先発医薬品がない)

 この事例において、算定要件を満たしているにも関わらず、医療側が減点された理由は何でしょうか。

 薬局側の調剤変更は、薬局側の在庫管理の問題、あるいは国側の問題(医薬品の供給不足)から生じる事だと推察します。審査側の減点は、算定ルールと一致しないから減点したのだと推察します。

 つまり、診療報酬と調剤報酬のルールに不整合が生じていることが明白になりました。これ以上、算定要件を満たしている医療側に金銭的損害が生じることは看過できません。

 よって、次のことを要望します。

一、審査側においては、一般名処方加算が減点対象となる場合、医療側または薬局側に確認すること

一、国側においては、医療側と薬局側の算定ルール(特に薬局側の裁量権)の整合性を図ること

以上

根拠(厚労省の発出文書)のない査定を、今すぐ中止してください

  • 水曜日, 5月 15 2024 @ 04:37 pm JST

令和6年5月15日

福井県国民健康保険団体連合会 御中

公益社団法人 国民健康保険中央会 御中

福井県保険医協会

会長 津田 武嗣

副会長 吉田 浩士

根拠(厚労省の発出文書)のない査定を、今すぐ中止してください

 国民医療の向上と確保へのご尽力に敬意を表します。

 さて、当会は医師から次のような報告を受けました。

①帯状疱疹後の末梢神経障害性疼痛に対してリリカを処方していましたが「末梢神経障害性疼痛」の病名を付したにもかかわらず査定された。

②病名の原因疾患を記す必要があるとの理由であった。原因疾患である帯状疱疹は過去に当院で治療しており、改めて記す必要性や記載の仕方について明文化されていない。

③「帯状疱疹後神経痛」なら問題ないとの回答であった。

 当会が確認したところ、次のような見解に至りました。

①について、リリカの添付文書に記載されている適応は「神経障害性疼痛、繊維筋痛症に伴う疼痛」であった。傷病名に問題は見当たらない。

②について、原因疾患を記す必要があるとの記載要件(厚労省の発出文書)が見当たらない。根拠のない査定としか言いようがない。

③について、回答が正しいとすれば、次のような疑義が生じる。

・傷病名が適応と一致しないという理由で査定・指摘している現状の審査・指導は何なのか

・医薬品医療機器等承認事項の原則遵守に抵触するおそれがあるのではないか

・今でも困惑するが、数年後に適応外の処方として機械的に返戻を求めてくるのではないか

 私たちは、次のことを求めます。

一、厚労省の発出文書以外の事項を理由に査定することは、今すぐ中止してください。

一、査定をする場合は、医療機関へ根拠となる厚労省の発出文書を添えてください。

以上

指導の実施通知(指導日の1か月前を目途として送付)に関する要望書

  • 木曜日, 12月 01 2022 @ 05:52 pm JST

2022年12月1日

厚生労働大臣 加藤 勝信 殿

近畿厚生局長 桐生 康生 殿

近畿厚生局 福井事務所長 荒川 俊幸 殿

福井県保険医協会

会長 津田 武嗣

副会長 三崎 裕史

副会長 吉田 浩士

副会長 粟田 浩史

指導の実施通知(指導日の1か月前を目途として送付)に関する要望書

 国民医療の向上と確保へのご尽力に敬意を表します。

 さて、医療現場は、国・行政の医療政策(診療報酬等)に準じて、患者さんの多様な生活環境に応じながら日々の診療をおこなっています。薬剤の投与日数の上限が原則として撤廃されたことで、1か月以上先の予約診療が当然のようになりました。様々な事情を抱える患者さんが大変な思いをして、治療日や手術日を1か月以上先に決めることも珍しくありません。手術等では他医療機関の都合も含めた日程調整が必要です。医療側、患者側ともに膨大な時間と労力をかけて診療計画を立てる時代に変化しました。

 実施通知が旧態依然として“1か月前を目途として送付”であることは、今となっては医療側と患者側にとって大きな負担でしかありません。診療報酬は2年ごとに改定され、人々の暮らしも変わることで、医療現場は常に変化を求められ対応してきました。今以て変わらないのは、指導要領「1か月前を目途として送付」です。

 医療機関等への指導は、健康保険法第73条、国民健康保険法第41条、高齢者の医療の確保に関する法律第66条、船員保険法第28条ノ5に定められています。指導をなくすことは非常に困難でしょう。

 しかし、指導方法(運用)は、厚生労働省保険局長通知で指導大綱および指導大綱関係実施要領、医療指導監査業務等実施要領(指導編)に定めているだけです。「指導者側と被指導者側の合議により決めることができる」ということです。点数改定や患者さんの生活様式の変化に応じた指導要領の改定が望まれます。

 よって、次のことを要望します。

一、実施通知を指導日の1か月前とするのであれば、指導日を複数提示して選択制とすること

一、指導日を指定するのであれば、実施通知を指導日の90日以上前を目途とすること

以上

審査資料への配慮を要望します

  • 木曜日, 4月 21 2022 @ 06:09 pm JST

2022年4月21日

厚生労働大臣 後藤 茂之 殿

社会保険診療報酬支払基金 御中

福井県保険医協会

会 長 津田 武嗣

副会長 吉田 浩士

副会長 三崎 裕史

副会長 粟田 浩史

審査資料への配慮を要望します

 貴職におかれましては、国民医療の確保のために尽力しておられることに敬意を表します。

 さて、医療機関が被保険者に適正な療養の給付をおこなったにもかかわらず、診療行為の費用が何処からも支払われない事態が生じています。これは、医療制度が正常に機能している状態と言えるのでしょうか。国や行政は、この異状事態を把握しているのでしょうか。

 次のような報告がありました。

① 疑い病名の多いなか、超音波検査(消化器領域、腎・泌尿器領域)を実施した。肝腫瘍の疑い(傷病名)として超音波検査(胸腹部)を算定し、検査領域のコード入力を腎・泌尿器領域として請求した。

② 審査機関から返戻(通知)があった。傷病名「肝腫瘍の疑い」なので、検査領域は「消化器領域」であることに気づいた(腎・泌尿器領域の検査は実施している)。事情を文書回答した。

③ 復点を却下された。腎・泌尿器領域とコード入力したもの(病名漏れ)を覆すことはできないという理由であった(検査領域を間違えたという理由では復点できない)。

 私たちは、次のように考えます。

①の問題点、違うコード入力(腎・泌尿器領域)を基準に病名漏れと扱われた

 検査領域違いを説明したにも関わらず、検査領域に対応する傷病名がない(病名漏れ)と言われて困惑しています。レセプト請求の為に実診療と違う傷病名に修正することはできません。

②の問題点、違う検査領域を入力したことの説明だけでは復点できないという回答

 まじめに回答したら原審通り(減点)になりました。復点に要する具体的な資料(診療録や検査資料)等の明示もありません。医療機関としては、為す術がありません。

③の問題点、査定は意思表示・請求権は消滅しない・配慮の義務(再審査に要する資料)がある

 1975年の「西尾訴訟」(岐阜地裁)により、査定は意思表示でしかなく、請求権は消失しないと解釈(最高裁も支持)されています。よって、誤りを修正した後は、速やかに診療報酬を支払わなければなりません。

 また、1988年に京都府内の病院がおこなった訴訟では「減点査定をした場合は、審査連絡書、増減点連絡書によって、なぜ減点されたのか、どのような資料が不足しているために減点査定されたのか、が保険医療機関にわかるように指摘し、再審査の機会に審査資料の補完が適切になされるよう配慮すべき義務がある」という大阪高等裁判所の判決が下されており、審査支払機関側の説明責任を指摘しています。

 よって、次のことを要望します。

一、返戻では、復点に要する書類を明示または口頭説明を実施すること

一、「摘要」欄記載のコード選択方式の導入について、医療機関の事務負担が軽減されたか確認すること

以上

不払い状態になっている診療報酬を、今すぐ対象医療機関へ支払ってください

  • 水曜日, 3月 16 2022 @ 06:11 pm JST

2022年3月16日

厚生労働大臣 後藤 茂之 殿

社会保険診療報酬支払基金 御中

福井県保険医協会

会 長 津田 武嗣

副会長 吉田 浩士

副会長 三崎 裕史

副会長 粟田 浩史

不払い状態になっている診療報酬を、今すぐ対象医療機関へ支払ってください

 貴職におかれましては、国民医療の確保のために尽力しておられることに敬意を表します。

 さて、次のような報告がありました。

肝腫瘍等を疑い(傷病名)、超音波検査(胸腹部)を実施した。請求時(検査領域のコード入力)に消化器領域とするところを腎・泌尿器領域とした。返戻となったので、事情を説明し消化器領域に修正したが、却下された。腎・泌尿器領域とコード入力したものを覆すことはできないという理由であった。

 これは、正当な理由のない単なる不払い行為と言わざるを得ません。

 私たちは、次のように考えます。

①審査側は、意思表示は許されているが、不払いは許されていない

 返戻の理由は示されているが、不払いの理由は示されていません。1975年の「西尾訴訟」(岐阜地裁)により、査定は意思表示でしかなく、請求権は消失しないと解釈(最高裁も支持)されています。つまり、審査側は、訂正後の請求に対し支払う義務が生じています。不払いなどできるはずがありません。

②腎・泌尿器領域とコード入力されていることは、事実でもある

 実際の診療では、消化器領域と腎・泌尿器領域の疾患を疑い、消化器領域と腎・泌尿器領域を同時に診療することがあります。報告があった事例も複数領域の診療です。請求手続き上、傷病名・検査領域を任意で決めただけです。コード入力は、多くの問題を抱えていることを当会は既に指摘しています。

③誰から診療行為の費用を徴収することになるのか

 医療機関が被保険者に療養の給付をおこなったにもかかわらず、診療行為の費用が何処からも支払われない事態を「医療制度が正常に機能している状態」と言えるのでしょうか。国や行政は、この異状事態を把握しているのでしょうか。

 よって、次のことを要望します。

一、療養の給付をおこなった医療機関に診療行為の費用を支払うこと

以上

指導の実施通知(指導日の1か月前を目途として送付)に関する要望書

  • 木曜日, 8月 05 2021 @ 10:15 am JST

2021年8月5日

厚生労働大臣 田村 憲久 殿

近畿厚生局長 武田 康久 殿

近畿厚生局 福井事務所長 荒川 俊幸 殿

福井県保険医協会

会長 津田 武嗣

副会長 三崎 裕史

副会長 吉田 浩士

副会長 粟田 浩史

指導の実施通知(指導日の1か月前を目途として送付)に関する要望書

 国民医療の向上と確保へのご尽力に敬意を表します。

 さて、医療現場は、国・行政の医療政策(診療報酬等)に準じて、患者さんの多様な生活環境に応じながら日々の診療をおこなっています。薬剤の投与日数の上限が原則として撤廃されたことで、1か月以上先の予約診療が当然のようになりました。様々な事情を抱える患者さんが大変な思いをして、治療日や手術日を1か月以上先に決めることも珍しくありません。手術等では他医療機関の都合も含めた日程調整が必要です。医療側、患者側ともに膨大な時間と労力をかけて診療計画を立てる時代に変化しました。

 実施通知が旧態依然として“1か月前を目途として送付”であることは、今となっては医療側と患者側にとって大きな負担でしかありません。診療報酬は2年ごとに改定され、人々の暮らしも変わることで、医療現場は常に変化を求められ対応してきました。今以て変わらないのは、指導要領「1か月前を目途として送付」です。

 医療機関等への指導は、健康保険法第73条、国民健康保険法第41条、高齢者の医療の確保に関する法律第66条、船員保険法第28条ノ5に定められています。指導をなくすことは非常に困難でしょう。

 しかし、指導方法(運用)は、厚生労働省保険局長通知で指導大綱および指導大綱関係実施要領、医療指導監査業務等実施要領(指導編)に定めているだけです。「指導者側と被指導者側の合議により決めることができる」ということです。点数改定や患者さんの生活様式の変化に応じた指導要領の改定が望まれます。

 よって、次のことを要望します。

一、実施通知を指導日の1か月前とするのであれば、指導日を複数提示して選択制とすること

一、指導日を指定するのであれば、実施通知を指導日の90日以上前を目途とすること

以上