不払い状態になっている診療報酬を、今すぐ対象医療機関へ支払ってください

  • 2022年3月16日(水) 11:36 JST

2022年3月16日

厚生労働大臣 後藤 茂之 殿

社会保険診療報酬支払基金 御中

福井県保険医協会

会 長 津田 武嗣

副会長 吉田 浩士

副会長 三崎 裕史

副会長 粟田 浩史

不払い状態になっている診療報酬を、今すぐ対象医療機関へ支払ってください

 貴職におかれましては、国民医療の確保のために尽力しておられることに敬意を表します。

 さて、次のような報告がありました。

肝腫瘍等を疑い(傷病名)、超音波検査(胸腹部)を実施した。請求時(検査領域のコード入力)に消化器領域とするところを腎・泌尿器領域とした。返戻となったので、事情を説明し消化器領域に修正したが、却下された。腎・泌尿器領域とコード入力したものを覆すことはできないという理由であった。

 これは、正当な理由のない単なる不払い行為と言わざるを得ません。

 私たちは、次のように考えます。

①審査側は、意思表示は許されているが、不払いは許されていない

 返戻の理由は示されているが、不払いの理由は示されていません。1975年の「西尾訴訟」(岐阜地裁)により、査定は意思表示でしかなく、請求権は消失しないと解釈(最高裁も支持)されています。つまり、審査側は、訂正後の請求に対し支払う義務が生じています。不払いなどできるはずがありません。

②腎・泌尿器領域とコード入力されていることは、事実でもある

 実際の診療では、消化器領域と腎・泌尿器領域の疾患を疑い、消化器領域と腎・泌尿器領域を同時に診療することがあります。報告があった事例も複数領域の診療です。請求手続き上、傷病名・検査領域を任意で決めただけです。コード入力は、多くの問題を抱えていることを当会は既に指摘しています。

③誰から診療行為の費用を徴収することになるのか

 医療機関が被保険者に療養の給付をおこなったにもかかわらず、診療行為の費用が何処からも支払われない事態を「医療制度が正常に機能している状態」と言えるのでしょうか。国や行政は、この異状事態を把握しているのでしょうか。

 よって、次のことを要望します。

一、療養の給付をおこなった医療機関に診療行為の費用を支払うこと

以上