薬価基準収載品目について、安定供給の責任を求める(要望書)

  • 2020年7月13日(月) 14:30 JST

2020年7月13日

厚生労働大臣 加藤 勝信 殿

製薬メーカー 各社

 

福井県保険医協会

会 長 津田 武嗣

副会長 吉田 浩士

 

薬価基準収載品目について、安定供給の責任を求める(要望書)

 

 貴職におかれましては、国民医療の確保のために尽力しておられることに敬意を表します。

 さて、日本は「生涯でがんに罹患する確率が男性65.5%、女性50.2%(男女共に2人に1人)(1)」という深刻な時代に突入しています。近年の前立腺がんは「死亡数は減少傾向」「減少傾向にあるものの罹患数は増加傾向(2017年第1位(2))」にある(1)と示されています。

 前立腺がんの治療には「ホルモン療法(内分泌療法)」がよくおこなわれます。患者さんの生命予後は、医薬品の供給状況に強く依存することになると言っても過言ではありません。つまり、供給の突然停止が、がんの増悪をきたし命に直結する問題となりうるのです。

 国と製薬メーカーは、薬価基準収載品目について、円滑かつ適正に供給がなされるよう努めなければなりません。突然の供給停止や欠品により国民医療に重大な支障をきたすことがないよう留意されたい。

 仮に、そのような事態が発生してしまった場合、その経緯や現時点での詳細な状況および今後の見通しについて、誠意をもって、極力具体的に医療機関ならびに患者さんに対して説明をおこなう必要があります。

 下記の品目は前立腺がんの主要な治療法に関わる薬剤であり、このたび武田薬品工業(株)社のリュープリン注射用キット各種の供給停止となりました。速やかな供給体制の改善を要望します。

 

 

[武田薬品工業(株)]

・リュープリン注射用キット3.75mg

・リュープリンSR注射用キット11.25mg

・リュープリンPRO注射用キット22.5mg

 

[他社]

・リュープロレリン酢酸塩注射用キット3.75mg(各メーカージェネリックあり)

・ゾラデックス3.6mgデポ

・ゾラデックスLA10.8mgデポ

・ゴナックス皮下注用80mg

・ゴナックス皮下注用120mg

・ゴナックス皮下注用240mg

 

参考)

(1) 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(年次推移)

(2) 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(最新がん統計)